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雑学−ごはんの教え10箇条

1.田んぼは日本の自然環境を守る命の装置である
縄文時代に始まり、二千年の伝統に育まれてきた米づくり。その基盤となる田んぼは、豊かな実りをもたらすだけでなく、環境保全に役立つ機能を備えています。その第一は保水機能。雨を受けとめて水害を防ぐ、ダムのような役割を果たします。たまった水分は徐々に地中に浸透して地下水になり、やがて河川へ。水質の浄化と水量の安定にも貢献しています。また、水田はひとつの生態系をつくりあげ、そこにはカエルやトンボなどの生物が見られます。


2.田んぼは大気を浄化し、気温を調節してくれる
大都市が猛暑に苦しむ夏でも、広い水田を持つ地域では比較的暑さが穏やか。これはね水田の水が蒸発し、稲から水が蒸散(両者をまとめて蒸発散という)するときに大気から気化熱を奪うから。いうなれば水田が天然のクーラーとなっているのです。また、稲は植物のなかでも光合成の作用が強いほうに属します。つまり、多くの炭酸ガスを吸い、多くの酸素を放出するということ。その量を単位面積当たりで比較すると、森林をもしのぐといわれます。

3.米のデンプンは脳を働かせるエネルギー源
人間の体のなかで、意外に大食漢といえば脳。静止しているときも、体全体の20パーセントものエネルギーを消費しています。脳のエネルギー源はブドウ糖で、一日当たり120グラムが消費されます。通常、ブドウ糖は血液中に5グラム、肝臓に最大60グラムが蓄えられていますが、脳以外の臓器もこれを使うとなると、とても足りません。そこで、ごはんの出番。ごはんに多く含まれるデンプンこそ、ブドウ糖のもとなのです。

4.米・魚・大豆は現代病に対抗する体をつくる
日本人は弥生時代から、エネルギー源として米を食べてきました。そして、魚と大豆が主なタンパク源でした。この組み合わせは、栄養的に必要なアミノ酸のバランスがよく、脂肪分が少なく、人間の性質に合ったものだということが、近年の栄養学でもわかってきました。脂肪分のとりすぎは、肥満、糖尿病、心臓病といった現代病の原因となることが判明しています。こうした病気を防ぐには、ごはん中心の和風の食事が適しているのです。

5.ごはん・主菜・副菜は2・1・1の割合がおすすめ
最近の傾向として、ごはん・主菜・副菜の割合が1・1・1くらいになる人が多いようですが、理想的なのは2・1・1。ごはんの主な栄養素である糖質は、人間にとって最も大切なエネルギー源です。これを十分に摂取してこそ、活力が生まれるのです。高度経済成長以来、脂質とタンパク質の摂取量が増加しましたが、脂肪のとりすぎは生活習慣病の原因になり、タンパク質のとりすぎはカルシウムの排泄を促進してしまうので、注意が必要です。


6.ごはん食はダイエットの強い味方です
ごはん、パン、パスタ、そば、うどん。ダイエットにいちばん適した食材はどれだと思いますか?
答えはごはん。
パンやパスタなどの場合は、一度粉にしたものを食べているわけですが、ごはんは粒のまま。これが大きな差になります。粉の場合は、粒に比べて消化吸収が早いので、かえって太りやすいのです。また、炊きあがったごはんには水分が多く含まれていますから、ほかの主食と比べて満腹感が得られやすいのです。

7.ごはん中心の日本型食生活は理想的な健康食
今、日本型食生活が欧米でも注目を集めています。アメリカでは生活習慣病がとても多く、このことを踏まえて、どんな割合で炭水化物・タンパク質・脂質を摂取すればよいかという指針がつくられました。
その結果、割り出された理想の食生活は、ごはんを中心とする日本人の平均的な食事にきわめて近いものでした。日本型食生活のかぐれた点をもう一度見直し、私たちの生活のなかに取り戻していきたいものです。

8.一日のはじまりは、ごはんを食べてしっかり栄養補給
朝、目が覚めたとき、人間の体は車にたとえればガス欠の状態です。睡眠中に、筋肉や肝臓に蓄えられていたエネルギー(グリコーゲン)が消費されているからです。そのエネルギー補給に適しているのが、ごはん。
ごはんの炭水化物は、すぐに消化されてブドウ糖になり、血液に入って全身に行きわたり、あらゆる臓器のエネルギーとなります。また、炭水化物をとって血糖値を上げることで、体温が上昇し、本当の意味で身体を目覚めさせます。

9.人間の歯はごはんを噛むのに適しています
自分の歯をよく見てください。成人の場合、臼のような形をした臼歯が左右それぞれに5本ずつ、上下合わせて20本あります。ほか、肉を噛む犬歯が計4本、野菜や果物などの食物を噛み切る切歯が計8本あります。このように、臼歯は歯全体の63パーセントを占め、人間の歯が穀物を噛むのに適していることを示しています。なお、臼歯・犬歯・切歯の構成比は、人間が本来とるべき食べ物の比率を表しているのではないか、といわれています。

10.安産のためにもやっぱりごはんが一番です
安産の大切なポイントは、自分に合った体重管理をすることによって、お母さんの肥満と巨大児の発生を防ぎ、同時に早産の原因となりやすい生活習慣病を予防することです。また、妊娠中に不足しやすい鉄分・カルシウム・ビタミンKを十分にとることも大切。これらは納豆、ひじき、ワカメ、小松菜など、ごはんによく合うおかずに多く含まれています。バランスのよい朝ごはんをしっかり食べ、夜7時以降の食事はできるだけ控えるのがおすすめです。





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